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 旅の楽しみの一つに方言があります。テレビなどの影響でだいぶ廃れてしまったとはいうものの、列車の中で、降り立った駅や街の中で、お国訛りはしっかりと生き続けています。

 東北弁は「ズーズー弁」などと揶揄されることもありますが、ひと括りに出来る程単純なものではなく、狭い地域ごとに多くのバリエーションが存在するほか、共通語に慣れてしまった方には意味不明に聞こえるかも知れませんが、古語をそのまま使っていることもあったりと長い歴史と生活文化が凝縮保存されています。

 秋田弁については、既に多くのサイトで紹介されていますので、ここではその特徴的な使い方をご紹介しましょう。

秋田弁の特徴1 〜発音〜

秋田弁の特徴的な発音 秋田弁に限らず東日本および日本海側の方言の最大の特徴は「鼻濁音(びだくおん)」ではないでしょうか。話しの中で、ガ・ザ・ダ・バの各行とこれらの拗音について、鼻に掛ったような発音をするもので、日本語の美しさの特徴である、とする意見もあります。

 「学校(ッコウ)」と「佐藤さんが(サトウサン)」と二つの「」。皆さんはどう発音されますか?「佐藤さんが(サトウサン)」の「」を「ンガ」に近い音で発音したとすればそれが鼻濁音です。「長崎(ナサキ)」「玉子(タマ)」も鼻濁音で発音できますが、西日本や若い方は発音できないだけでなく、聞き分けることも出来なくなっているとも言われています。

 鼻濁音の他、「ズーズー弁」の由来となった、母音「イ」「ウ」を含む言葉が「エ」に混じってしまうという発音も慣れないと聞き取りできないものです。「寿司(ス)」が「ス」に聞こえてしまうかもしれません。

秋田弁の特徴2 〜文法〜

 先ず特記すべきは、名詞の語尾に「コ」を付けることでしょう。「お茶っこ(オヂャッコ)」「写真ンこ(シャシンコ)」「牛こ(ベゴ)」など、愛情、謙遜、軽侮を表わすためのもので、「小・少・子」を意味していると言われます。

 次に丁寧表現の「シ(ス)」を述語の最後に付けることも多く見られます。東北の方言は敬語をあまり使わないとされており、秋田弁でも地域によってそうした傾向が見られますが、城下町であった大館市や秋田市、横手市などの内町(武士町)では尊敬語、謙譲語が多様され、共通後の「です・ます」に相当するものとして「シ(ス)」があります。丁寧表現のない方言に触れると乱暴な印象を受けますが、「シ(ス)」が付く言葉を聞くと地方の奥ゆかしさのようなものを感じます。例としては、「そうですか?(ンダカ?)」「そうです(ンダ)」などです。シ(ス)を付けないと「そうか?(ンダガ?)」「そうだ(ンダ)」のようになります。

秋田弁の特徴3 〜語彙〜

 単語には共通語に存在しないものがあり、「翻訳」に苦労することがあります。「アメル」は「腐る」と共通語訳されることがありますが、醗酵文化があることが理由と思いますが、見た目に分かる腐敗した状態というより、その前の醗酵が始まった前後の状態とでも言いましょうか、使い分けされているように思います。(例:「このお菓子いつ(頃)の?」「まだ1週間くらいだと思うけど、食べてみたら?」(匂いや味から)「アメデらよ」)見た目が明らかに腐っているものは「カンプケデラ」「カフケデラ」(黴びる)と言います。(「黴び気ている」が語源と思われますが、「完腐」?もありかも知れません。)

 また古語を使っている例として、「カデル(加える)」「ナズキ(ギ)(額・もともとは脳)」「ウダデ(不快だ、嫌だ、気持ち悪い)」などもあり、古文の勉強にも役立つかも知れません。

 他所から来られた方には「ナゲル(捨てる)」などびっくりするような言葉もあります。窓が開く旧型客車が走っていた時代には、「窓からゴミを投げないようにしましょう」という注意書きもありました。

 スパネはねる(泥がはねる)、ジャンボかる(散髪する)、カッポリする(水たまりなどにはまり、靴に水が入る)など最近の若い人には通じないことも増えてきました。

 「アマヒコ」(ジャンバーや雨合羽などのフード)、「〜ダビョン。(〜だろう。)」「ンダバッテ(そうだけども)」「タロンペ(つらら)」など音の響きがかわいらしいと若い女性が面白がって使うケースが見られたり、方言をユーモラスに楽しんでいるご当地ヒーロー(地産地消ヒーロー)「超神ネイガー」の登場により、「ブッカレタマグラ(ネイガーでは怪人“ボッコレタマグラ”)」など、忘れかけられていた方言が復活したりしており興味深いものがあります。(因みに「ブッカレ」は「壊れ」、「タマグ(ク)ラ」は鎌などの刃を柄に固定している金属製の輪のことで、「ブッカレタマグラ」とは「役立たず者」を意味します。)

 この他、アイヌ語が語源と思われるものや、外国語が訛ってしまったもの、意味が変化しつつあるものなど、探究すればキリがありませんが、久しぶりに珍しい言葉を聞くとそれだけで盛り上がることもあります。また「秋田弁」といっても、大館の場合は津軽弁が混じっていたり、鉱山の影響で強い口調に聞こえるといったこともあり、秋田市や県南(横手市など)の言葉と比較すると違って聞こえると思います。

旅先での秋田弁 〜ワンポイントレッスン〜

 秋田・大館を訪れる際に覚えておくと、役に立つ言葉を集めてみました。地元の方と親しくなれると思いますよ。

(自宅などに招かれた際)

家人:「足崩して、ネマってたんせ。(足を崩して、座ってください。)」→寝転がってはいけません。

(食事の際)

家人:「なんモ無ばって、どンぞ。(何も無いですが、どうぞ。)」→「何も無い」は秋田県人の謙遜の常套句。お返しに「ンメすな〜(美味しいですね〜)」と誉めると良いでしょう。但し男性客は「奥さんの作ったガッコ(雅香=漬物)ンメすな〜」と言ってはいけません。奥さんに気があるというサインに取られかねないのです。

(お礼をする/挨拶をする)

「ドモドモ。」(どうも、どうも。)→秋田県人はシャイな人が多く、丁寧な挨拶をすると恥ずかしがったりすることがあります。そうした時は「ドモ!」「ドモドモ」、これで事足ります。

(気を付けなければならない言葉)

「コンタラモノ、アルモンデネ。(こんなもの、あるものではない。)」これは怒っている時に使われます。褒め言葉ではないので、こう言われたら謝りましょう。

(ここで面白い話を一つ…)

 大館名物「キリタンポ(鍋)」に呼ばれた客人は地元の人たちの会話にびっくり…。

地元民:「このタンポ、ウメな。何入れだ?(このキリタンポ鍋、旨いな。何を入れた?)」

家人:「鼠入れだね。(鼠を入れたんだよ。)」

地元民:「どごの鼠?(どこでとれた鼠?)」

家人:「家(ウヂ)の山でとれだ鼠や。(自分の家の山でとれた鼠だよ。)」

県外客:…(食が止まった)

 これは地元でキリタンポに鼠キノコ(銀茸)を入れると美味しいという話なのですが、知らない人はぞっとしますよね。

 秋田弁は奥が深く、とても限られた中ですべてをお伝えすることが出来ません。興味がおありの方には『秋田のことば』(秋田県教育委員会編・無明舎出版 INBN4-89544-246-2 \2,800-)をお勧めします。960ページにも及ぶ大作です。

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