お弁当の中身はもちろんですが、掛け紙を見るのも旅の楽しみのひとつです。
掛け紙はその時代や地域の特徴などを反映しています。車窓の景色に飽きたらこちらも眺めてみてください。
▲大正13年
13年6月25日午後0時製造の記入があり、お寿司弁当。社名が花善の前身である花岡旅館時代のもの。当社で確認できている最古の掛け紙。
▲ 昭和5年頃
昭和5年9月2日のスタンプが押された掛紙。五代目社長花岡ウタの祖父である二代目社長花岡鉄三の名が見える。図柄の意匠は不明だが、案内欄には「夏ノ十和田湖 長木沢美林 北秋木材會社 藤田組製材所 大滝温泉 小坂鑛山 花岡鑛山」とあり、十和田湖をイメージしたものか。サイズは巾135 mm × 高さ126 mmで、現代のものより格段に小さい。※1
▲ 昭和14年~16年頃
大館駅から花輪線経由毛馬内駅(現在の十和田南駅)下車で十和田湖遊覧できる案内文がある。30銭。※1
▲ 昭和35年~42年頃
意匠はそれまでのものと殆ど同じであるが、背景が社名に合わせてか桜になっている。
← 昭和40年頃~
今は販売されていない唐揚げ弁当のラベル。「折詰専門の店」とあるため、駅弁以外のものか。ラベルサイズも24cm角と大きい。※1
▲ 昭和60年~平成3年頃
▲ 昭和60年~5年頃
JR発足時のキャンペーン「LOOK EAST」キャンペーンのロゴ入り。あきたこまち米が誕生した頃でもあり、その名称も見える。
▲ 昭和60年~63年頃
和紙調の用紙を使用した掛け紙。国鉄の「いい日旅立ち」と「北へ向かって」のロゴ入り。※2
※2 の掛け紙は、京都市在住 松岡 純様から資料提供いただきました。ありがとうございました。
▲ 昭和初期
定価(金二十銭)と記載されてるため、大正から昭和初期のものと考えられ、電話番号が十六番と三十五番となっており、絵も長木川の風情を感じる昭和初期の掛け紙。
▲ 昭和9年頃
価格が「金三十銭」とあり、昭和5年頃のものと同程度の弁当と思われるが、「上等」の文字がない。「十和田湖への遊覧は当驛から秋田鐵道に乗換へ毛馬内驛から自動車で湖岸「生出」に出てそこから船で…」とあるが、「秋田鉄道」は現在のJR花輪線、「毛馬内(けまない)駅」は十和田南駅であり、また現在は就航されていない「生出(おいで)」が記載されていることから史料的価値が高い一枚。
※この掛け紙は「駅弁の小窓」様よりご提供いただきました。ありがとうございました。
▲ 昭和20年頃(?)
「スキー」「スロープ」の片仮名が並び、戦後になったことが想像できる。大湯スロープまでは馬橇の便があると記載されている。30銭。※1
※1 の掛け紙は、東京都在住 内田 聡様から情報提供いただきました。貴重な資料をありがとうございました。
▲ 昭和45年~48年頃
「鶏樽めし」のラベル。国鉄の「DISCOVER JAPAN」キャンペーンのロゴが印刷されている。(キャンぺーンロゴも新旧2種バージョンが存在)背景の山に「大文字」がない貴重なバージョン。(大館市で大文字焼きが初めて行われたのは昭和43年)※2
← 昭和45年
基本的に上のラベルと同じだが、「¥200」の文字が印刷された。「DISCOVER JAPAN」のロゴがGゴム印で押されているためキャンペーンの前後のものか。※2
▲ 昭和47年~48年頃
ごく短期間使用されたラベル。駅弁の文字がないことから折詰弁当用と思われるが、「樽鶏めし」のイラストが見える。※1
▲ 昭和50年~56年頃
駅弁のラベルではないが、モチーフは昭和20~40年の駅弁掛け紙に近い。
▲ 昭和初期
汽車が旅情を誘うイメージの掛け紙であり、価格からも戦前のものと思われる掛け紙。
▲ 昭和14年頃
十和田湖をモチーフとしたとデザイン。戦時色の強いコピーが目立つ。当時の社名は花岡旅館弁当部であった。20銭。スタンプの日付けは14年3月。※1
▲ 昭和25年~35年頃
印刷の質も相まってレトロ。雌鳥の下のひよこが愛らしい。電話番号もまだ3桁である。
← 昭和45年~49年頃
駅弁「鶏めし」のラベルと思われるが、「御料理付」の文字があるため現在のものと異なる可能性あり。「DISCOVER JAPAN」のロゴは「鶏樽めし」同様に新旧2バージョン存在し、また電話番号が2つ掲載のものと3つ掲載のものがある。※2
▲ 昭和47年~51年頃
「鶏樽めし」のラベル。国鉄の「北へ向かって」キャンペーンのロゴが印刷されている。
▲ 昭和48年~50年頃
「鶏樽めし」の別バージョンか。鉄道関係の記載がないことから、一般向けの弁当用か。
▲ 昭和57年~63年頃
幕の内弁当用掛け紙。デザインは上記のものと殆ど同じ。
花善からのお願い!
当社では残念ながら古い掛紙を保存しておらず、写真等も残っていません。
実物または写真(デジタルデータでも結構です)をお持ちの方はお貸しください。薄謝を進呈致します。